キーウ出身のソフィアさんからの訴え
「NPO法人SunPanSa(サンパンサ)」はウクライナ、ポーランド、日本の平和と交流に関する事業を行い、友情の促進に寄与する目的で設立されました。私もこの目的に賛同し、設立記念シンポジウムに参加しました。
1993年から日本在住(カナダでの大学時代を除く)のSofiya Kataokaさんの基調講演は、なぜウクライナには「降伏する」という選択肢がないのか、という題目で、大変心に残るお話でした。キーウ生まれのソフィアさんは、ボルシチやコサックダンスなど、ウクライナの文化の多くがロシアの文化として誤認されている事実に、悲しく、またやり切れない気持ちを吐露するところから話を始めました。
100年以上の経験から、ウクライナ人はロシアに占領されることの恐怖を知っており、それは絶対に認められないことだと言います。だからゼレンスキー大統領が「国民を守るためには戦いを止めるべき」とは思わないのも理解して欲しいと。「占領」は文化やアイデンティティを失うことも意味するのだと。
彼女は、問いかけます、「外国から日本に帰ると、ホッとしますよね。サッカーの選手たちがゴミ拾いをしたことを聞いて、日本人ていいなあ、と思いますよね、それらの感情・気持ちも全部失ってしまうことなんです。言葉、アイデンディティ、歴史、価値観が奪われた時、今まで通りの生活に戻れますか」と。
次回、講演会があれば、ウクライナの方からのお話をぜひ聞いていただけたらと思います。